MTCになりたい

いまのままじゃだめだ、なんてことを頻繁に思います。だめというほどじゃないのでしょうけれど、もっと良くなりたいと思うのです。


変化に対する願望のようなものがあって、昨日までとおなじことをしていたら、昨日までと同じことの繰り返ししか起きないのではないか……なんてことを危惧して、変わりたいと思うのかもしれません。


すごい何かを成し得たとか、うまくいった・がんばった成果が出たとかいったとき、人々はそのことを積極的に発信するでしょう。だから、人目に触れること、耳に入るようなことの多くは、誰かが何かをがんばった結果によるものばかり、といってもいいかもしれません。


でも、実際は、多くの人が「このままじゃだめだなぁ」とか「なんでできないんだろう」とか「あいつはいいよなぁ」とか思って過ごすたくさんの時間を経験しているはずです。


なので、そんなに「自堕落だったなぁ」とか「いまのおれは駄目かもしれない」などと思うことはないのかもしれません。「かっこわるいおれ」こそが、「かっこいいおれ」に最も必要なものかもしれません。


そう思うと、なにかのはずみで「おれ、ちょっとすごいかも」とか思う瞬間が、僕にもあなたにもあるのではないかと思うのですが、そうした高ぶった瞬間こそが、だらだらしたりなまけたりしている瞬間の自分をよりいっそう「おれはだめだぁ!」と思わせているのかもしれません。


で、こうした「振れ幅」のようなものこそ、冒頭の自分の求めていた「変化」なのじゃないかと、ふと立ち止まって思います。


なぁんだ、あなた、自分の望んだとおりになっているじゃないのよと、まあそんな具合です。


「おれは、なりたくてこんなことになっているわけじゃない」と思うことが仮にあったとして、それは他でもない、日々の自分のおこないが呼び込んだお客さんのようなものかもしれません。お客さんからしてみたら「え?   なんか、来ちゃまずかった?(おまえ呼んだじゃん。茶ぐらい出せや)」ってな具合です。


呼んだつもりがあるにせよないにせよ、来訪者があるにせよないにせよ、自分や相手のためにお茶を出して、おいしく飲んでいられる。そんな状態って、なんかいいなと思います。


おれは、MTC(マスター・オブ・ティー・セレモニー)になりたいかもしれない。




おつきあいいただき、ありがとうございます。できることなら一緒に、お茶でも飲みましょう。