2019/3/25 更新

音楽において「走る」という言葉が意味するのは、望ましいテンポよりも速くなってしまっている状態のことだ。どちらかといえば、悪い意味でつかうことの方が多いのではないかと思う。


走らずに歩くと、よくものが目に入る。いろんなことに気づくのである。車より電車、電車より自転車、自転車より徒歩、といった具合に、景色から得るものが多くなるような気がする。ここに飛行機がないのは、僕が滅多に乗らないからだ。地上を飛び出して上から見おろす景色からも、それはそれで発見があることと思う。


じぶんで見ようと思って見たものからは、得るものが多くなる。一方で、頼まれた仕事だからとか、誰かが薦めていたからとか、勉強のために必要だからとか、そういった外的な要因によって見んとするものから得るものは、どうしても自発的な動機から見ようとするものから得るものよりも少なくなる気がする。おもしろいと思ってやるおこないには、何ものも敵わないのである。楽しんでいる者は、最強なのだ。


車窓からの景色を「流れる」なんて表現することがある。速度のコントロールを他者に委ねている状態では、おのれの興味にしたがって足を止めたり、速度を緩めたりすることができない。どうしても、受動的にならざるを得ないのである。自動車の運転者が自分だったらばコントロールが利くけれど、他者の運転するたくさんの自動車が周囲にある場合、その交通の流れを阻害するわけにはいかないから、やはりある程度受動的にならざるを得ない。人っ子ひとりいない原野や原林に敷かれた一本の道路を自動車で行く、といったような状況ならば、その限りではないかもしれないが。


たとえば、東京から大阪へ行くとする。新幹線に乗ってしまえば、眠っていても着くだろう。一方で、何日もかけて歩いて行ったとしたら、単純に「大阪に到着する」ということの外側に、たくさんの発見があるだろう。道中、なんのために大阪に行くのか、という動機や目的をしみじみと見直す機会もあるかもしれない。途中で目的地や経由地を変更したくなるかもしれないし、出発前には思い至らなかったやるべきことが見えてくるかもしれない。どのように目的地に到達したかによって、到達後の行動は、間違いなく変わる。


時間がないから、最短距離を行く手段や方法を選ぶ。予定したとおりのことを予定どおりに消化したいなら、それは有効な手段・方法といっていい。


「急がば回れ」は、余裕のある者にしかできないことなのかもしれない。余裕なんかないけれど、自分には回り道しか選ぶ余地がないのだ……とおっしゃる人がいるかもしれないが、それしか選ぶ余地がないのならば、それが最短の道だといっていい。むしろ、もっと回れる道があるのじゃないかと疑ってもいいのかもしれない。もしその人が、余裕のある自分を目指したいというのであれば……である。


あれこれ言っている当の僕がどうかというと、どちらかと言えば余裕こき過ぎる性分であり、おのれをより追い込む手法を自分に課す方を選ぶのが、ある意味で僕にとっての回り道なのかもしれない。


も~好きにやって、という感じである。


お読みいただき、ありがとうございました。

『birthday』CD-R(2019年2月6日)発表

2019年2月6日、高円寺しゃくれくるぶしにておこなわれた、青沼詩郎とホノボランの弾き語り2マンライブで『birthday』CDRが発表された。配信版『Birthday』の発表からだいぶ経っている。欲しい人はライブ会場で手に入れられる。

『バンドをやろう・Andante』配信

上記タイトルの2曲入りシングルが配信されました。Apple Music ほか、複数のサイトでお聴きいただけます。

『バンドをやろう・Andante』CD−R  発表

上記タイトルの2曲入りCD−Rを、2018年7月21日に発表しました。

おもに、出演時の会場で入手できます。

 

 

こんなの→


アルバム「Birthday」リマスター版全曲配信

アルバム「Birthday」(2017年7月配信開始)のオリジナル音源をリマスターし、「note」にて全曲配信を開始しました。(2018年5月)

アルバム、配信中。

ギターボーカル、自分。

 

バンドメンバーは自分の分身。

 

そんな1本のライブができたら。

 

そんな思いで、多重録音によってそれに近いものをつくりました。

 

10曲、43分間の演奏を一切止めずに5回(5パート)の録音を重ねました。

 

差し替え、途中からの録り直し、ツギハギ編集などを一切していません。

 

ファースト ギター&ボーカル&ハーモニカ

セカンド ドラムス&コーラス&鍵盤ハーモニカ

サード ベース&コーラス&キーボード(シンセリード)

フォース エレキギター&コーラス

フィフス ピアノ&コーラス&ボンゴ

 

すべてのパートを一回の演奏で録音することを「一発録り」なんていいますが、このアルバムは一発録りを5回重ねた「五発録り」的なものになっています。

 

1パートごとに43分間を演奏しきっているので、「5人の僕」による「仮想スタジオライブアルバム」みたいになっています。

 

(曲間にゴソゴソ楽器を持ち替えたり、楽器による鼻歌みたいな「幕間」の音も全部入っています。) 

 

アルバム単位で通して聴いてもらえたらなと思います。

 

 

bandshijin 青沼詩郎

 

 

ご自愛ください。