思考のパトロール 〜移り気なお巡りさん〜

本だとか資料を読もうとして手にとった瞬間、べつの本や資料や、やりかけのことが思い浮かんでしまうことがあります。でも、そこで今手にしている本や資料を置いて、思い浮かんだものの方に触れようと行動を移してしまったら、いま現在手にしている本や資料を読もうとした「一寸むかし」の自分を否定してまうかのようで、結局「移ろいかけた気持ち」の方をやりこめてしまう……ということが今まで多かったです。

そうして1日を過ごしていると、日没ごろにどうなっているかというと、「進めたいけど手をつけられなかったこと」に埋もれて、何もできなかった焦燥感と無力感をいっそうつのらせてしまった自分に出会うのです。

ですので昨日は、ちょっとちがった過ごし方を試してみました。

何かを始めようと対象物を手にとった瞬間に他のことを思いついてしまったら、いま手にしていたものは机のうえに広げたまま手離して、すぐさま思いついた方をその上に、横に、新たにどんどん広げていくのです。思いついたことに関わる本やら資料やらいろいろの品物が、物理的に机のまわりに展開されていくことになります。モノが広げられて目につくところにあるので、「あぁ、まだ手もつけられていない」となることがありません。すでに広げられているので気持ちが移ったら、どんどんその通りに移行してしまえば良いのです。戻りたくなったときも、広げたまんまにしてあるので、すぐに戻れます。

自分の移り気に素直になるということなんですが、あれこれおっぴろげつつも、結局優先度の高いものに向かい始めると、気持ちが移らなくなります。集中し始めるのです。いつでも前に広げたものに戻れる自由もあるのですが、気持ちがそっちにいきません。いま集中しているものを終わらせたい……という気持ちに素直に従うだけなのです。

そうして1日を終えてみると、優先度は低いけどちょっと触れておきたいものやことにはひととおり触れられており、なおかつ優先度(緊急性)の高いものにもちゃんと手が着いて、進捗がある……という状況が得られていました。

まだ試してみて1日しか事例がないので、この試みが積み重なっていったとき、どのような変化があるのかわかりません。かけだしの手ごたえは良いようです。様子をみながら、継続していきたいと思います。