字画とトロ 〜Jikaku to Toro〜

突き進みたい。努力したい。 

一心不乱に打ち込みたい。 

だけど、すぐには解決が見込めないような、長期的な課題が立ちはだかって、それを阻んでいる。 

その課題解決に向かって、地道に取り組んでいきたい。日々の雑事に埋もれそうになりながら。 

がんばりたい。 

がんばろう。 

がんばる。 

意志の宣言というものは、正直者を悩ませる。 

正直、すぐには解決できないよ…でもその現状を好ましく思っているわけじゃないんだよ…そんなとき、正直者は「がんばりたいです」なんていうのかもしれない。 

そして正直者は自分の宣言したことに悩む。「がんばります」でいいのに、「がんばりたいです」なんて言って…「がんばるふりだけはします」とでも宣言しているかのような、自分が嘘つきで見栄っ張りなんじゃないかという念にさいなまれる。 

本当の正直者とは、「がんばります」と宣言してがんばるひとだ。 

「がんばりたいです」といううわべの気持ちだけを表してなにもしなかったり、根本的な解決にならない回り道をして何度も同じ場所に戻ってくるようなひとは、「おろかもの」なんじゃないだろうかと。 

「がんばりたいです」は、自分をおろかものにする言葉…日々の雑事に流されて、根本的な解決から逃れようとする意志のあらわれ… 

僕がそう感じてしまうのは、僕自身がだれよりも心のなかで「がんばりたいです」をつぶやいている人間だからかもしれない。実際に心のなかで「がんばりたいです」という言葉を用いているわけではないけれど、それに相当する思念が自分のなかに満ちているのを感じてやみません。 

つい自分自身をいやしく、下にみてしまいがちになります。 

現実は、すぐに解決できるようなシロモノじゃない課題が山積していて、それと折り合いをつけたり、距離をとったりしながら毎日を歩いていくのはあたりまえ。 

心のなかの「がんばりたい」を自覚して、今日なにをやるかだな。