究極の虫対策

ふだん住んでいるところよりも、標高があって、空気や水が綺麗で、森が多いところで5日間ほど過ごしてきました。それでも、日なたは相当に暑かったですし、屋内も、かつてない暑さだったように感じました。年に1〜2回ほど、そこに通っているのですが、夏でも日陰や屋内は常に涼しい地域だったので、冷房がありません。ですが、今年はじめて、冷房がここにもあれば良いのにと強く思いました。


自然の中からすこし場所を借りて、人間が居させてもらっているという感じの地域でしたが、すこし来ない間にも開発がすすんで、だいぶコンクリートが露出した部分が増えたように思いました。


木は、陰をつくります。あればあるほど、木陰がふえます。森は、陰のかたまりです。個々で存在するそれよりも、寄り集まるとその特性を増すみたいで、木がつんつるてんの土地に1本あるよりも、森がぼさっと生えているほうがよっぽど涼しいのです。おそらく、1本1本ばらばらで生えている場合の涼しさの合計値を上回るんじゃないかな?などと想像します。


木や土の多い場所には、虫も多いです。ふだん住んでいる都市に戻ってきて、快適だなと思うことは、虫がいないことです。蝉やらコガネムシやらはぼくの住む町にもいるのですが、蛾やブヨやアブ、蜂なんかが森にはもっと多いと感じます。ほかにもカメムシにカマドウマ、しゃくとり虫にウスバカゲロウ、縞々じゃない蚊やガガンボと、圧倒的に種類に富みます。都市に適応できる種は限られるのでしょうかね。人間が排除してしまったわけでもあるんです。


涼しい森を欲しがったかと思えば、虫が多すぎるのはイヤだなんてずいぶんわがままなものです。建物の出入り口ぜんぶに前室みたいなものを設えることができたら、もう少し人間の居住空間と虫のいる屋外を分けられるのかしら……究極、人間が出入りするその瞬間に虫もいっしょに出入りするわけですから、人間が出入りしなければ虫の出入りもありません。


扉1枚の内と外を人間だけがワープできたら、虫対策になると思います。それができたら、虫対策にとどめておくにはもったいないかもしれませんが。


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