五臓六腑にヨーグルト

最近、ヨーグルトを野菜にかけて食べている。ドレッシングのかわりになるのだ。酸味と乳のコクのかたまりがみずみずしい野菜に乗ってワッと来るのがたまらない。


ドレッシングのかわりだなんて言ってしまったけれど、積極的意思によってそのようにしている。ヨーグルトさん、口がすべってごめんなさい。


400グラムくらい入るカップの中でぐるぐるっとかき回して、そのままちぎったレタスやらなんやらの上にすくってのせるだけだ。買って来たままの状態だと、セミハードというか半固形状というか、そこまで固いわけでもないのだけれど、水分が分離していて舌触りがいまいちなかんじなので、かならずかき混ぜるようにしている。カレーのベースにヨーグルトを用いるときも、かならずこれをやる。


かき混ぜてなめらかにしたヨーグルトをちぎったレタスの上にのせたら、気分次第でハチミツを、つららららぁーっと糸を置くみたいにかけていく。仕上げにいりごまなんかをずさっ!とばらまくこともある。10回に1回くらいはきな粉もかける。


これがうまい。なので、習慣になっている。決してドレッシングの代替などではない(そもそも僕は元からドレッシングをつかう習慣があまりない。外出先でじぶんの好きなアレンジができないときだけつかう)し、からだに良いっていうからなんとなくヨーグルトを積極的に摂るようにしている、というような意思がとくべつに働いているわけでもないのだ。


僕がヨーグルトをサラダに用いるようになったのはごく最近のことだけれど、それ以外の用い方をこれまでもずっとしてきている。コーンフレークだとかグラノーラだとかにかけてたり、つぶしたり切り落としたバナナにかけてぐるぐる混ぜたり、ジャムを落としてそのまま食べたり、先ほども触れたがカレーのベースにしたり鶏肉のマリネに用いたりもしてきた。ヨーグルトさんには大変お世話になっている。


お通じよくなる効果があると一般によく言われる。そのような実感が僕にもいくらかあって、あれ、今日はお通じが悪いかしらと思うと1日~2日、ヨーグルトを摂っていなかったなんてこともある。ヨーグルトを摂っていないことが、お通じの悪さの原因のどれほどを占めるのかはわからない。ヨーグルトなしにはお通じが悪くなってしまうなんて、ちょっとした依存かしらとも思う。我が家(わたし)のヨーグルト消費量はなかなか多い方で、食費の中でも一定の割合をヨーグルトが占めているだろう。酒やたばこに費やすよりはどれだけかマシかとも思うけれど、どっちもどっちという気がしないでもない。ヨーグルトを売る会社の売り上げに貢献していることは間違いない。この国の市場からヨーグルトが消えたら、僕の食事のバランスはどうなっていくことだろう。他の何かがヨーグルトの穴を埋めるだけという気がしなくもない。


お通じの良し悪しに影響することとしてこの頃僕が気づいたことのひとつに、でんぷん質の摂取の重要性がある。


ご飯を夕飯に食べると、翌朝お通じがつつがなくいくことが多い。あまりに普通のことすぎて、は?  という感じかもしれないのでもう少し説明すると、僕は、なんか太りそうという理由で、夕飯にご飯などのいわゆる主食を摂らないことが多かった。野菜や肉・魚など、すぐエネルギーになるといわれるパン・ご飯・麺などの主食といわれる食品以外のものを中心に、夕食時に摂るようにしていたのである。


その結果、かたくコロコロとして、草食動物の飼育小屋の床に転がっているそれに似たような質のものが出ることが多かった。


そんな食事のバランスを、少しだけ改めた。ひかえめな量のご飯を加えただけだ。その結果、いくらかの便通の改善を実感した。


ヨーグルトの話にもどるけれど、食事にそれを取り入れることに、僕は「飽き」を感じたことはない。いつも、むしろたのしんで取り入れ、食べておいしく、うれしくいただいていた。


時間と立地の都合で外食を強いられる状況のときに、コンビニしか選択肢がなくて、どんな添加物が入っているかわからないお弁当を買って食べるよりはましと思って400グラムくらい入ったプレーンヨーグルトを買ってかきこんだこともあるけれど、あのときはさすがに後半ちょっと食べ飽きたかなぁという実感があった。これは例外だ。極端な食べ方は、なるべく控えたい。


このように、ヨーグルトをどのように摂るかという点で、移ろいがあり、バリエーションがあり、さまざまな状況でさまざまな経験をしてきた僕である。もはや、ヨーグルトに興味があるとかないとかの次元ではなく、からだの器官の一部かもしれない。


ヨーグルト。それは、わたしの内臓なのだ。



お読みいただき、ありがとうございました。