家の近所に、死馬捨場。

起きる。ミルクを温めて、コーヒーを淹れる。それを飲みながら、「さくぶん」をする。昨日撮った写真を繰って、適当に何枚か選んでそのへんに放り出す。そのへんとは、ネット上のことである。


家族が起きてくる。朝ごはんを食べる。着替えたりトイレに行ったりして、ドタバタと家を出て行く。トタハタ、くらいかもしれない。


朝からすぐ、会議だった。着席で36人入れば満席の部屋に、5~6人が集まって話し合った。月に一度発行する、ある機関の広報紙の編集会議だ。今後扱う記事を何にするかや、現在校正中の記事についてや、取材を終えてこれから執筆に入ろうとしている記事のことなど、次の会議まで会わなくて済む程度にいろいろな話し合いがなされた。会議中、僕は紅茶を飲んだ。


会議を終えた後、職員のひとりと個人的なことを少しお話しした。お互いの子どものことなどについてだ。彼女のお子さんと僕は、最近知り合い、関わる機会があった。また、お正月休みのあいだに僕にふたりめの子どもが生まれたことを彼女は聞き及んでいて、お祝いをくださった。解散したのはちょうどお昼過ぎだった。


日中、僕が仕事をする地域と、僕の住んでいる家は近い。近いというのは僕の主観で、おおむね自転車で15分未満圏内である。昼食を摂るために僕は一度、帰宅した。妻の母と、妻の姉が遊びに来ていた。妻の姉が、僕らのふたりめの子どもを抱いているところだった。生後1週間の赤ちゃんである。


妻の母が買って来てくれたパンを皆で食べた。僕の家の最寄り駅から数えて二つめの駅の近くのお店で買って来たパン、とのことだった。妻の母が用意してくれた何種類かの惣菜をつまみながら食べた。


午後、自転車で再び職場へ行った。再びとは言っても、午前中に会議をしていた建物とは別の施設だ。いずれも、同じ市内にある。広報紙の校正作業と、調べ物をしつつ、来客対応をした。気になることや疑問がいくつも出てきて、調べ物や探し物をしているうちに日が暮れた。ひとつ面白かったのは、僕が住んだり働いたりしている地域にある、由来がよくわからない文化財について、わかったことがあったことだ。


その文化財が置いてある周辺は、およそ150年前、「屍馬捨場」と呼ばれていたらしい。その文化財は、死んだ馬の供養塔のようなものとして置かれたものなのだそうだ。中くらいの墓石のような見た目をしたその文化財がなんなのか、ずっと知らないでいたが、馬のお墓だったのだ。現在その土地には、果樹が植えられている。先月あたり、深いオレンジ色をした果実がそれらの木に実っているのを見かけた。おそらく柿だろう。


退勤後、帰宅する前に、毎日出入りしている音楽スタジオに寄って、楽器の演奏や歌唱の練習、曲作りとレコーディングをした。毎日出入りしている音楽スタジオのまたの名を、「ジッカ」という。僕の実家である。


帰宅すると、僕と入れ違いに、妻の母が帰っていった。妻や子どもは、食事を済ませてもう横になっていた。僕は、入浴をして食事をして、少し音楽を聴いてネットを見たり、手帳に何か書いたりして、しばらくしたのち就寝した。



なんでもない男のただの日記を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。