Each Other

やれることと、やれないことがある。

ぼくがやれることというのは、自分がやりたいと思えることだ。

ぼくがやれないことというのは、自分がやりたくないと思うことだ。


本当にやりたいと思えることは、なんだってやれる。

本当にやりたいとは思えないことは、些細なことだってやれない。


他の人が期待することが、自分にとってのやりたいことと重なることがある。

自分のやりたいと思うことが、他の人の期待と重ならないこともある。


他の人が、ぼくが真にやれることを見抜いていることがある。

ぼくが真にやりたいことはなんなのかを、他の人が勘違いすることだってある。

自分が真にやりたいことを、ぼく自身が勘違いすることだってある。

ぼくだけが、自分に真にやれることを見抜いていることもある。


ぼくは、自分にできることだけをやる。

できるふりは、できない。

ぼくがやることだけが、ぼくにできることだ。

できないふりも、できない。


ぼくにあたる人は、この世でぼくだけだ。

ぼくに似ている人を挙げることはできるかもしれないけれど、まったく同じ人はどこにもいない。

ぼくに似ている人をあなたが知っているような気がしたとしても、それはあなたがぼくをまだよく知らないだけだ。

あなたに似ている人をぼくが知っているような気がしたとしたら、ぼくの知らないあなたが、ぼくの死角にいるということだ。


自分で歩いていって、自分の死角を明かすことができる。

自分の死角にあるものを、他のだれかが教えてくれることがあるかもしれない。

歩いていって死角にあるものを見たとき、教えてくれた人が言ったとおりだと思うかもしれないし、自分が見たときにはもう、死角にあったものは様変わりしているかもしれない。


あなたが目にしたものは、あなただけのものだ。

ぼくが目にしたものは、ぼくだけのものだ。

教えあってくらべてみてもいい。

ただ、ぜったいに同じにはならないということは、知っておいたほうがいい。


ぼくは、やる。

それが、ぼくにできることだ。

あなたにとってのそれを、あなたがやるように。




教えてくれて、ありがとうございます。