「ムダ省エネメソッド」をぶち壊せ!

「からだ」がテーマの、あるワークショップを受けました。からだの緊張やクセを知り、それを取捨選択できるようになることにつながるという、そんなワークショップでした。

僕らは、立つ、座る、仰向けになる、といった日常的な動作をおこない、教えてくれる人は、手や言葉を使ってこちらのからだにはたらきかけ、からだの運動の方向を示したり、楽な姿勢に気づくための指導をしてくれます。緊張やクセ、「力み」といったものの「引き算」を体験したのです。自分のからだを意識する際の新しい視点を発見し、それを自分に引き寄せるための入り口に立ったような、そんな気分でした。

ところで、からだを固めてしまうことをやめたり、楽になるための意識を得ることを目的のひとつにしたワークショップだったと思うのですが、これが終わると、どーーんと疲れるのです。

僕らのする「緊張」「力み」といったものは、人生における経験の中で身につけた、ある意味「防衛手段」なのかもしれません。そうやって「固めて」ガードすることによって、何もしない無防備な状態だったら真に受けすぎてしまうことから、一時的に、それもインスタントに守ろうとする反応なのかもしれません。

僕たちは、何かを繰り返すことで「慣れ」ます。だから、「固める」といった反応も、繰り返すうちに慣れてしまい、それが「クセ」につながる。そうなると、あまり「考えず」「意識せず」にそれ(クセによる反応)ができるようになり、結果的に省エネルギーになるという、なんだかおかしな循環になってしまいます。

そうした「ムダ省エネ」をやめるという体験を、この日のワークショップでしたのかなと思います。それを「やめる」ということに慣れていないので、どーーんと疲れるのかなと思います。

歳を重ね、経験を重ね、いろんなことを知っておもしろいことも増えるのだけど、なんだか疲れやすくなったかな…なんていう体感の裏には、そうした「ムダ省エネのメソッド」が蓄積されているのかもしれません。

ちなみにこのとき僕が受けた「からだ」がテーマのワークショップというのは、「アレクサンダーテクニーク」を用いたものでした。ご存知かもしれませんが、関心があったら調べてみてください。「からだ」に無関係な人というのはいませんからね…。いるとしたら、「すでに亡くなった人」くらいでしょうか。