考えるためには、時間がいる。
かかる時間は何を考えるかによってさまざまだ。
一瞬で済み、判断とか直感といった方がしっくりくるようなものから、人間が一生かかっても結論が出るか出ないかわからないようなものまである。
いずれにしても、考えて結論を出したり、出そうとしたりする。
結論は、いつもその時点のものでしかない。
考えるための新しい素材があらわれれば変わる。条件にもよる。
結論を出すのに期限がつけられることがある。だいたいがビジネスに関わることだったり、学生の試験や課題だったりする。
期限までに得られる素材で、その時点での最高の結論を目指す。それしかない。
ある時点で見切りをつけて、形にして送り出す。あとからそれを眺めて、気づくことがある。新しい素材が得られて、過去の結論が恥ずかしく思えることもあるし、どんなに新たな素材を獲得しても、これで良かったと思えることもある。
新しい素材を得ても変わらないような結論を、定められた時点までに出すこと。これは、ある意味成功といえるんじゃないだろうか。
その時点では自分になかった素材が現れても、正解だったと思えるような結論は、未来も過去もとび越えて、自分からも時間からも自立した存在かもしれない。
子孫を残す以外に、人間が残せるもの。必死で生きて、探そうとする結論。僕がくたばるのが先か。君が見つかるのが先か。